津田信夫

没年月日:1946/02/17
分野:, (工)

鋳金界に近代的な作風を出して知られた津田信夫(号大寿)は2月17日谷中の自宅で逝去した。年71。明治8年10月23日千葉県佐倉に生れ、同33年7月東京美術学校鋳金科を卒業、34年4月同校雇となり、翌年3月助教授に進んだ。大正8年あげられて教授となり、同12年1月文部省より在外留学の命をうけて出発、14年12月に帰朝した。昭和2年帝展に工芸部が新設されると同時にその委員となり、以後審査員たること数回、昭和10年7月帝国美術院会員、同12年芸術院会員におされた。この間フランスより昭和3年オフイシエダカデミー勲章、昭和8年オフイシエエトアルノアール勲章を贈られ、また昭和16年6月には工芸技術講習所教授となり、昭和19年6月退官した。正4位勲4等にすすんだ。代表作としては、明治43年に作つた日本橋上部鋳造装飾の獅子頭があり、昭和5年作の議事堂貴賓室扉の装飾も知られている。展覧会の出品作としては「夕暗」(帝8)、「引吭長鳴」(帝9)、「ラヂエーターの装飾」(帝10)、「クーラー」(帝11)、「鋳銅新秋誦無置物」(帝14)、「鳳翔薫炉」(新文1)、「鋳銅?波衝天」(新文2)、「鋳銅飛躍」(奉)、「北辺夜猫子鋳金置物」(新文4)、「青銅万法始終」(新文5)などがある。

出 典:『日本美術年鑑』昭和22~26年版(131頁)
登録日:2014年04月14日
更新日:2023年09月13日 (更新履歴)

引用の際は、クレジットを明記ください。
例)「津田信夫」『日本美術年鑑』昭和22~26年版(131頁)
例)「津田信夫 日本美術年鑑所載物故者記事」(東京文化財研究所)https://www.tobunken.go.jp/materials/bukko/8536.html(閲覧日 2024-04-26)

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