牛尾武

没年月日:2012/12/31
分野:, (日)

 日本画家の牛尾武は12月31日、虚血性心不全のため死去した。享年57。
 1955(昭和30)年3月3日、兵庫県神戸市に生まれる。本名武司。神戸芸術学林日本画科で学び76年卒業、神戸在住の日本画家昇外義に師事する。76年兵庫県展優秀賞、78年兵庫県日本画家連盟展県知事賞、79年兵庫県日本画家連盟展最優秀賞を受賞。79年に上京し、84~87年上野の森美術館絵画大賞展、85・88年東京セントラル美術館日本画大賞展に出品。85年の第3回上野の森美術館絵画大賞展では「澄秋」で特別優秀賞を受賞。1989(平成元)年には茨城県石岡市の華園寺本堂障壁画を制作。90年の銀座・資生堂ギャラリー個展〈線の蘇生〉では、北海道に取材した風景を中心に発表、繊細な線描と墨を主とする淡い色彩による豊かな画趣が一躍注目を浴びた。さらに91年第11回山種美術館賞展で「晨響(銀河と流星の滝)」により優秀賞を受賞。同年東京を離れ和歌山県田辺に居を移し、熊野をテーマに紀伊半島の自然美や風景を描く。95年には四曲一双屏風を中心とする大作による「牛尾武新作展 遥かなる原郷」を箱根・成川美術館で開催。99年には田辺市高山寺の薬師堂障壁画を制作。2004年から空海をテーマに高野山や四国、京都、奈良、さらには中国に至るゆかりの地に取材し、04~13年の4度にわたり成川美術館で作品を発表。10年には世界遺産熊野本宮館、11年には南方熊楠顕彰館で「残響の熊野」と題して田辺と熊野の風景作品を発表。同地域の芸術・文化振興に大きく貢献したことが評価され、没後の13年に田辺市文化賞が贈られた。

出 典:『日本美術年鑑』平成25年版(426頁)
登録日:2015年12月14日
更新日:2016年08月09日 (更新履歴)
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