宇佐美直八

没年月日:2012/10/25
分野:, (美関)

 江戸時代より続く表具所である宇佐美松鶴堂八代目当主の宇佐美直八は10月25日、肺炎のため死去した。享年86。
 宇佐美家は天明年間(1781~88)に初代直八が西本願寺前において同寺直属の表具所として創業。以来、西本願寺御用達として展開した。代々当主は「直八」の名跡を名乗る。その宇佐美家の二男として1926(大正15)年1月27日に誕生、「直行」と命名。立命館大学工学部卒業。七代目「直八」のもとで装潢技術の研鑽に励んだ。1946(昭和21)年、西本願寺国宝襖絵の修理に従事。59年3月、国指定の文化財(絵画)を修復していた7工房が結集し、装潢技術の向上をはかると共にそれらに付帯する事業を行うことを目的として「国宝修理装潢師連盟」が設立された際、これに「宇佐美松鶴堂」として加盟。74年には宇佐美松鶴堂を個人商店から株式会社に移行させて代表取締役に就任。80年には京都国立博物館内に設置された文化財保存修理所の開設にともない、その一角を工房として使用するとともに、運営委員を委嘱される。翌年には桂離宮解体修理工事のうちの表具工事を担当する。この年10月には75年の先代死去のち空き名跡となっていた「直八」を八代目として襲名。82年には京都国立博物館文化財保存修理所修理者協議会会長に就任する(~1993年)。1990(平成2)年3月には(財)京都府文化財保護基金より永年の文化財修理に対して功労賞を受賞。同年11月には地方の文化振興に対する功労で文部大臣賞を受賞する。95年5月、国宝修理装潢師連盟理事長に就任(~1999年5月)。96年4月29日春の叙勲に際し、勲五等双光旭日章の栄誉を受ける。代表的な文化財修理として西本願寺飛雲閣壁画、厳島神社平家納経、建仁寺風神雷神図屏風がある。著書に『京表具のすすめ』(法蔵館、1991年)。

出 典:『日本美術年鑑』平成25年版(421頁)
登録日:2015年12月14日
更新日:2016年08月09日 (更新履歴)
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