赤羽末吉

没年月日:1990/06/08
分野:, (挿絵)

 大和絵や水墨画など日本の伝統的な画風を取り入れ独自の童画世界を築いた絵本画家赤羽末吉は、6月8日午後1時40分、食道静脈りゅう破裂のため、横浜市栄区の横浜栄共済病院で死去した。享年80。明治43(1910)年5月3日、東京神田に生まれ、東京順天中学校を卒業。のち満州に渡る。独学で絵を学び、昭和14(1939)年より17年まで満州国国展に出品し、特選を3度受賞する。戦後、昭和24年に帰国。同年よりアメリカ大使館に勤務するかたわら挿絵を描き、同34年日本童画会展に「民話屏風」を出品して茂田井武賞を受賞。同36年福音館より『かさじぞう』を出版して絵本界にデビューした。同40年『ももたろう』ほかでサンケイ児童出版文化賞受賞、同43年『スーホの白い馬』で再び同賞および児童福祉文化奨励賞を受ける。同48年『源平絵巻物語、衣川のやかた』で講談社出版文化賞、同50年には旧作『スーホの白い馬』でアメリカ・ブルックリン美術館絵本賞を受け、国際的にも認められる。同55年、それまでの功績に対し、児童文学のノーベル賞とも言われる国際アンデルセン賞の画家賞を、日本人としては初めて受賞した。その後も、同57年『絵本わらべうた』『そらにげろ』でライプチヒ国際図書デザイン展金賞、翌58年イギリスのダイヤモンドパーソナリティ賞、同64年『おへそがえる ごん』でライプチヒ国際図書デザイン展銅賞等、国内外で受賞を重ねた。他に『ほしになったりゅうのきば』(同51年 福音館)、『つるにょうぼう』(同54年同社)等の代表作があり、昔話を伝統的技法で現代感覚を融合させて描いて広く親しまれた。

出 典:『日本美術年鑑』平成3年版(297頁)
登録日:2014年04月14日
更新日:2015年12月14日 (更新履歴)
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