安田武

没年月日:1986/10/15
分野:, (美,関)

 「わだつみ会」の再建などでも知られた社会・文化評論家の安田武は、10月15日午後10時25分こう頭がんのため東京都中央区の国立がんセンターで死去した。享年63。大正11(1922)年11月14日東京府北豊島郡に生まれる。昭和16(1941)年京華中学校を卒業して17年上智大学英文科に入学するが、18年学徒出陣し20年ソ連軍と闘って捕虜となり、22年1月帰国。上智大学へ復学する。23年上智大学を退学して法政大学国文科へ転入学するが同年中退。24年『きけわだつみのこえ』に衝撃を受け、出版関係の仕事に従事しつつ執筆活動を続け、34年「わだつみ会」の再建に加わったほか、38年『戦争体験』、42年『学徒出陣』を出版する。また、第二次世界大戦を風化させまいとする姿勢から独自の文化論を持ち、市井の生活を基盤として息づく日本の伝統に目を向け、芸人や職人の型に関する評論活動を行なった。著書に『日本の美学』(45年)、『芸と美の伝承』(47年)、『型の文化再興』(49年)、『〈「いき」の構造〉を読む』(54年)などがある。

出 典:『日本美術年鑑』昭和62・63年版(324頁)
登録日:2014年04月14日
更新日:2015年12月14日 (更新履歴)
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