久保惣太郎

没年月日:1984/06/09
分野:, (美関)

 東洋古美術品のコレクションで知られる大阪府の和泉市久保惣記念美術館の名誉館長久保惣太郎は、6月9日午前6時10分頃、大阪府和泉市の自宅で縊死しているのを家人に発見された。享年57。7年前より脳血栓により入退院を繰り返していた。大正15(1926)年8月26日和泉市に生まれ本名英夫。昭和19年、織物の特産地大阪・泉州で織物業を営んできた老舗久保惣株式会社の三代目として取締役社長に就任する。久保惣は明治17年初代久保惣太郎(文久3~昭和3)が創業した地場繊維業のトップクラスで、初代の蒐集になる富岡鉄斎の泉州滞在期の三幅が久保惣コレクションの嚆矢であった。その後、茶を好んだ二代目(明治23~昭和19)と三代目を中心に昭和初期から戦後にかけて意欲的な蒐集を行ない、国宝2点、重要文化財28点を含む絵画、書跡、陶磁、金工、漆工など約500点の東洋古美術品を蒐集した。会社は昭和53年政府の構造不況業種に対する転廃業指導に則り転廃業の止むなきに至ったが、52年8月郷土への感謝と文化振興のためコレクションを和泉市に寄贈、美術館用地と建物の寄贈も行ない、57年10月和泉市久保惣記念美術館が発足した。発足と同時に同美術館名誉館長に就任、没後60年11月和泉市名誉市民に推称された。

出 典:『日本美術年鑑』昭和60年版(250-251頁)
登録日:2014年04月14日
更新日:2015年12月14日 (更新履歴)
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