矢内原伊作

没年月日:1989/08/16
分野:, (美,関)

 法政大学名誉教授の文芸、美術評論家矢内原伊作は8月16日午前5時8分、胃がんのため東京都港区の虎の門病院で死去した。享年71。大正7(1918)年5月2日、愛媛県に生まれる。経済学者で元東京大学学長の矢内原忠雄の長男。昭和16(1941)年京都帝国大学文学部哲学科を卒業し、戦後、同22年宇佐見英治らと『同時代』を創刊する。同29年C・N・R・S(フランス国立科学研究所)の招聘により渡仏し、31年に帰国。この間、ジャコメッティと交遊し、その作品のモデルともなったほか、ミロ、ザッキン、シャガールなど美術作家たちを知る。学習院大学、大阪大学、同志社大学などで教鞭をとり、同45年より法政大学教授となる。サルトル、カミュの実存主義哲学を紹介する一方、西欧の作家たちとの交遊と独自の視点にもとづく芸術評論を行なった。著書に『ジャコメッティとともに』『芸術家との対話』『抵抗詩人アラゴン』『京都の庭』『宝生寺』『サルトル』『矢内原伊作の本』などがあり、訳書にはジャコメッティ著『私の現実』、カミュ著『ジンフォスの神話』、アラン著『芸術について』などがある。

出 典:『日本美術年鑑』平成2年版(249頁)
登録日:2014年04月14日
更新日:2015年12月14日 (更新履歴)
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