渡辺素舟

没年月日:1986/01/16
分野:, (学)

 東洋文様史研究の先駆者で、多摩美術大学名誉教授の渡辺素舟は、1月16日午前7時30分、心不全のため東京都杉並区の自宅で死去した。享年95。明治32(1899)年11月16日、愛知県西春日井郡に生れる。大正5(1916)年3月、東洋大学専門部国漢文科を卒業後、昭和6(1931)年には帝国美術学校講師、同9年からは多摩帝国美術学校教師となり、工芸史を講ずるとともに東洋工芸史に関する研究を発表した。また、同14年に東京高等工芸学校講師となり、同19年には東亜同文会嘱託となった。同23年からは多摩造形芸術専門学校教授、同28年、同校が4年制の多摩美術大学として発足するにともない同大学教授となり、同40年3月定年退職するまで工芸史を講じた。この間、同30年からは東京都文化財専門委員をも勤め、また、同36年9月には東洋文様史研究に対して文学博士の学位を受けた。
 主要な著書を刊行順に記す。
『日本の工芸美術』(図案工芸社、昭和2年)
『支那陶磁史』(中央出版社、同4年)
『図案の美学』(アトリエ社、同7年)
『日本工芸史』(厚生閣、同13年)
『平安時代国民工芸の研究』(東京堂、同18年)
『東洋図案文化史の研究』(冨山房、同26年)
『東洋文様史』(冨山房、同46年)
 この他に、定期刊行物「塔影」、「美之国」、「美術新報」などを中心に、昭和20年頃までは多数の論考、展覧会評を発表した。晩年は日本工芸会評議員を永くつとめた。

出 典:『日本美術年鑑』昭和62・63年版(315-316頁)
登録日:2014年04月14日
更新日:2015年12月14日 (更新履歴)
『日本美術年鑑』に収録されている以下の記事にも「渡辺素舟」が含まれます。
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