志村一男

没年月日:1981/08/21
分野:, (洋)

春陽会、写実画壇会員の洋画家志村一男は、8月21日午前4時10分心臓衰弱のため、東京武蔵野市の西窪病院で死去した。享年73。1908(明治41)年1月1日長野県諏訪郡に生まれ、27(昭和2)年帝国美術学校(現武蔵野美術大学)に入学した。その後父の死去のため帰郷したが、31年の第9回春陽展に「春光の丘」、第1回独立展に「丘の風景」「富士見駅附近」がそれぞれ初入選し、春陽会研究所で学ぶようになる。この頃1930年協会展や第4回文展(41年)などにも出品しているが、34年の第12回春陽展以後は主に春陽会に出品した。40年、絵に専念する意をかため上京、53年春陽会会員に推挙された。58年には渡欧し、パリのグランド・ショミエールに学び、ヨーロッパ各地を廻っている。72年、写実画壇の結成に発起人の一人として参加し、没年まで出品した。主な作品は「厨房の静物」(48年)「手水鉢」、「河原(夕月)」(73年)など。

出 典:『日本美術年鑑』昭和57年版(281-282頁)
登録日:2014年04月14日
更新日:2023年09月13日 (更新履歴)

引用の際は、クレジットを明記ください。
例)「志村一男」『日本美術年鑑』昭和57年版(281-282頁)
例)「志村一男 日本美術年鑑所載物故者記事」(東京文化財研究所)https://www.tobunken.go.jp/materials/bukko/10148.html(閲覧日 2024-03-19)
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