本データベースでは中央公論美術出版より刊行された『黒田清輝日記』全四巻の内容を掲載しています。なお、デジタル化にともない、正字・異体字・略字や合成文字は常用漢字ないし現行の字体に改めました。



1896(明治29) 年5月22日

 五月二十二日 金 今日も亦雨だ 小山正太郎が九時頃ニやつて来て十二時前迄居た 今日も衆議院の方ハ断つた 昨日林ニ今日都合次第で東京倶楽部で逢ふと云事を約束して置たから倶楽部ニめし食ニ行た 林ハ来ず 樺山愛輔 大久保利武の二人と一緒ニ食事した それから久米の処ニ行き小山と一緒ニ為り三人連で山本の処ニ行き夕方迄居て酒などの馳走ニなりながら明治美術会から出て新ニ一つ倶楽部をたてゝ展覧会をやろうと云相談を極めた 夜ハ内で母上と清と三人で茶など飲で旅行中の奇談など云ひ出して笑つた

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