本データベースでは中央公論美術出版より刊行された『黒田清輝日記』全四巻の内容を掲載しています。なお、デジタル化にともない、正字・異体字・略字や合成文字は常用漢字ないし現行の字体に改めました。



1896(明治29) 年5月30日

 五月三十日 土 朝白瀧が来て学校を始めたと云事を云た 十時過から出て小林を訪ふたら留守 久保田米斎をたづねて白馬会の事を告げそれから天真道場ニ行て画を直し内へ帰る 昼めしを宝亭で食ひ橋口家と新二郎が処ニ行く 新二郎ハ留守 内へ帰つて額の入れかへなどした 夜食後母上 お幾と三人で散歩がてら又橋口家ニ行く 十時頃ニ内へ帰つて又内でジル ブラス イリユストレなど見て十二時迄かたり一時ニねる 今夜の気候ハ実ニ散歩加減だつた 夕方ニ明治美術学校の生徒が三人やつて来てお説を承ると云次第 今日中村から送つた画布が届いた

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