本データベースでは中央公論美術出版より刊行された『黒田清輝日記』全四巻の内容を掲載しています。なお、デジタル化にともない、正字・異体字・略字や合成文字は常用漢字ないし現行の字体に改めました。



1896(明治29) 年5月23日

 五月二十三日 土 今日ハ少し晴れたから衆議院ニ行た めしニ内へ帰つたら父上がお出で両親と三人でめしを食た 今度食堂と極めた処でやつたのでなんだか famille と云感が起つた 此の調子で万事運べバ中々いゝ 明日晴天なれバ角力を見ニ行く事を父上ニ約した 二時頃ニ林政文が暇乞ニやつて来た 三時頃から久米の処ニ出かけて行て五時頃迄居りそれから紅葉館ニ行た 美術学校連の親睦会だ 牧野伸顕氏 金子堅太郎氏 河瀬秀治氏等ニ逢ひ佐野常民氏 矢野文雄氏等ニ紹介され森林太郎氏と近かしく話をする事と為た Ce sont des célébrités d’aujourd’hui! 十一時頃ニ内へ帰る

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