本データベースでは中央公論美術出版より刊行された『黒田清輝日記』全四巻の内容を掲載しています。なお、デジタル化にともない、正字・異体字・略字や合成文字は常用漢字ないし現行の字体に改めました。



1896(明治29) 年5月14日

 五月十四日 木 朝晴れたれど昼前より曇り 朝菊地が来 衆議院から直ニ久米の処ニ行き菊地と一緒ニ為つて清新軒で昼めし めし後又久米の処ニ行きそれから三人連で出て古道具のせり売を見又此頃出来た新作の美術品陳列場(仲通)を見 京橋から銀座へ出て久米の内へ帰り門から久米ニ別れ買物などし菊地と相乗で溜池の種物を売つて居る内で草花を一と鉢買ひ内へ帰つた 合田もやつて来て三人で晩めしを食た 合田が玉川へ遊ニ行た話などした 又オレハ家の改築の考案の相談などして十一時半頃迄話して帰つて行た 今夜鹿児島の父上から手紙が来て貸し金等ニ付ての調査一件を依頼された ねる時ニハ一時半頃ニ為つた 今日ハ銀座で京都の加藤おしまニ逢つた 一寸あいさつしたので気がついた

to page top