本データベースでは中央公論美術出版より刊行された『黒田清輝日記』全四巻の内容を掲載しています。なお、デジタル化にともない、正字・異体字・略字や合成文字は常用漢字ないし現行の字体に改めました。



1896(明治29) 年5月27日

 五月二十七日 水 朝例の如く衆議院 帰りがけニ磯谷から合田の方へ廻った 新納栄彦氏が来られた 合田が四時ニ来て一緒ニ出かけ岡倉氏を訪ひ一時間程しやべりそれから森林太郎 小山正太郎 長原孝太郎諸氏をたづねた 森氏丈内ニ居て一寸逢つた 神田川で晩めしを食ひおしげと又雑談の云ひくらをやらかし九時半頃迄居た 今夜は月もよく帰り路のはだもち至極よし 合田には本郷の通りで別れた

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