本データベースでは中央公論美術出版より刊行された『黒田清輝日記』全四巻の内容を掲載しています。なお、デジタル化にともない、正字・異体字・略字や合成文字は常用漢字ないし現行の字体に改めました。



1896(明治29) 年5月20日

 五月二十日 水 暗い天気で気候が又いやニ寒くなり冬服を被た 朝合田が話ニ来た 十一時から十二時迄衆議院で仕事した 午後内で本の片づけをやつて居た処ニ樺山伯の妻君と千田氏の妻君が来た オレハはづして合田の処ニ行き遂に佐野 合田 菊地 田中と五人連で神明前の釜めし屋ニ出懸けた 帰りがけに神明で室内射的などして遊んだ 杉等と寒い時ニ鍋焼うどんの立食いをやらかした時の事など大ニ思ひ出した 十一時頃ニお久なる者が石原氏から呼ニ来たと云て去る(最後) 母上と清と三人で雑談ニ時を移し一時過ニ為つてねる

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