本データベースでは中央公論美術出版より刊行された『黒田清輝日記』全四巻の内容を掲載しています。なお、デジタル化にともない、正字・異体字・略字や合成文字は常用漢字ないし現行の字体に改めました。



1896(明治29) 年5月2日

 五月二日 土 約束通り十一時ニ衆議院ニ行き肖像をかき始めた 十二時迄仕事して出るとあたらし橋で大熊ニ出遭ひ一緒ニおすましの内でめしを食ひ別れて淡路町で靴を買ひ初音町ニ行て岡倉氏を訪ひ外国へ注文する一件や長原の事など話し団子坂に行き一寸長田へ寄り又小山へ寄つた どつちも亭主ハ留守で妻君ニ逢つた それから長原を尋ねて今日岡倉氏との談判の結果を知らせ一緒ニ出て伊予紋で晩めし 食後二人でぼつぼつ散歩し神保町の辺へ一緒ニ来た

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