1898(明治31) 年12月30日
十二月三十日 晴(静浦日記) 今朝九月松方正作君出発 見送として新橋停車場へ行く 十時十分の汽車ニて大森迄行く 西園寺氏を訪ふ 留守なりし故崋山の巻物を置て帰る 今日大森ニ行きし用向ハ此の巻物を侯爵ニ御覧ニ入れると云約束をして置たからの事 新橋の有楽軒にて大いそぎでめしを食ひステーションで連中と出遭ひ十二時半の汽車ニ乗る 先づ之れで一と安心也 連中ハ久米 佐野 磯谷也 日暮ニ沼津ニ着 本町の杉本和平方ニ泊る
本データベースでは中央公論美術出版より刊行された『黒田清輝日記』全四巻の内容を掲載しています。なお、デジタル化にともない、正字・異体字・略字や合成文字は常用漢字ないし現行の字体に改めました。
十二月三十日 晴(静浦日記) 今朝九月松方正作君出発 見送として新橋停車場へ行く 十時十分の汽車ニて大森迄行く 西園寺氏を訪ふ 留守なりし故崋山の巻物を置て帰る 今日大森ニ行きし用向ハ此の巻物を侯爵ニ御覧ニ入れると云約束をして置たからの事 新橋の有楽軒にて大いそぎでめしを食ひステーションで連中と出遭ひ十二時半の汽車ニ乗る 先づ之れで一と安心也 連中ハ久米 佐野 磯谷也 日暮ニ沼津ニ着 本町の杉本和平方ニ泊る
十二月三十一日 (静浦日記) 朝十時頃宿屋ヲ出 浜を廻り渡しニて我入道へ渡り十二時半頃静浦保養館ヘ着ス 此日地引など見て暮す 夕方六時過の汽車ニテ佐野東京へ帰る