本データベースでは中央公論美術出版より刊行された『黒田清輝日記』全四巻の内容を掲載しています。なお、デジタル化にともない、正字・異体字・略字や合成文字は常用漢字ないし現行の字体に改めました。



1896(明治29) 年7月23日

 七月二十三日 木 暑さが今日ハ三十三度迄昇つた 十一時頃から一時間足らず父上の御肖像をかいた 午後ハ小督の下画ニ手を出した 五時過ニ平岡君が来一緒ニめしを食ひ食後ニ横山壮二郎を尋ねたら留守 山王山ニ二人で上り例の茶見世ニ一時間休んだ 赤阪ニ下つて帰つた 今夜ハ月ハよかつたが風ハちつともなくあつかつた 日本服のまゝで世間を歩いたのハ此頃ニない珍事だ

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