本データベースでは中央公論美術出版より刊行された『黒田清輝日記』全四巻の内容を掲載しています。なお、デジタル化にともない、正字・異体字・略字や合成文字は常用漢字ないし現行の字体に改めました。



1896(明治29) 年7月5日

 七月五日 日 晴 合田が十一時頃ニ来て菊地が十二時頃ニ来た 一緒ニめしを食ひ又昨日受取つたカタローグなど見せた オレハかたわら植木屋ノ下知などをやつて四時過まで内ニ居りそれから三人連で出かけ貸家などを冷かし菊地の内へ行き今日奴が新らしく買つた書物棚の中ニ古道具をならべるのなどを見 それから溜池の米福とか云内で鰻を食た 丁度此の家ニ這入つて居た処ニ小代と佐野がたづねつけてやつて来て急ニ又勢がつよく為つた 合田 菊地ハ早く去りオレ等ハ例の如ク運動 十二時過ニ内へ帰る 今朝三重の藤山から承知の返事が来た 今日オレが出てから佐野等と一緒ニ久米やつて来 又夜ニ為つて吉岡それから安藤も見へたとの事

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