本データベースでは中央公論美術出版より刊行された『黒田清輝日記』全四巻の内容を掲載しています。なお、デジタル化にともない、正字・異体字・略字や合成文字は常用漢字ないし現行の字体に改めました。



1896(明治29) 年6月26日

 六月二十六日 金 四時過ニ佐野が来た 先日奴ニ巴里からオレが持て来た彫刻物の写真をやる約束をして置たからそれを取りニ来た 先づ其を渡し一緒に合田の処ニ行き三人で久米をたづね清新軒で晩めし 久米ハ内でめしを食てから来た 四人で銀座を歩て居たら小代と高島と云のニ逢つた それから久米の内ニ行て珈琲の御馳走ニ為る 皆ニ別れて合田と赤阪の地蔵の縁日ニ行た 母上 白尾氏 清 下女某のかたまりニ出遇つた 見附下まで来て合田に別れて帰つた 間も無く内の連中も帰つて来た

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