本データベースでは中央公論美術出版より刊行された『黒田清輝日記』全四巻の内容を掲載しています。なお、デジタル化にともない、正字・異体字・略字や合成文字は常用漢字ないし現行の字体に改めました。



1896(明治29) 年6月23日

 六月二十三日 火 朝合田が来てしばらく話て行た 奴が帰ると間も無く菊地が来た 奴をめしニ引止め二時頃から二人で生巧館ニ出かけねころんで居る処ニ佐野もやつて来て此の二三日の間の愉快の話などが出た 五時過ニ為つて三畳倶楽部を去り合田と紀尾井坂下迄来合田ニ別れて新二郎の処ニ見舞がてら立寄る 父上もお出になつて居た 又吉田 林と一緒ニ為つた 色々な話の内ニ野津誠吾がコレラで台湾で死んだことを聞た 今夜めしニ橋口家で御馳走ニなる約束が有つたから吉田を引張て行て御馳走ニなる 白尾氏も来て居られた

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