本データベースでは中央公論美術出版より刊行された『黒田清輝日記』全四巻の内容を掲載しています。なお、デジタル化にともない、正字・異体字・略字や合成文字は常用漢字ないし現行の字体に改めました。



1896(明治29) 年6月19日

 六月十九日 金 十時半頃から天真道場の画を直しニ行た これが十二時過迄かゝつた 帰りに一寸磯谷の店に寄る 午後ハずうつと内ニぼんやりして居て建築の図案など考た 夜食後ニ久米がやつて来て一緒ニ出かけ溜池で菊地をさそひ三人で散歩しながら銀座の箱館屋に行て人道の井戸のわきニ椅子を持て行てこしかけて休だ 久米ニ別れて菊地とぼつぼつ歩いて内へ帰つたのハ十二時頃だつた

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