本データベースでは中央公論美術出版より刊行された『黒田清輝日記』全四巻の内容を掲載しています。なお、デジタル化にともない、正字・異体字・略字や合成文字は常用漢字ないし現行の字体に改めました。



1896(明治29) 年6月4日

 六月四日 木 雨 朝白瀧が画を見せにやつて来た 又大工を呼で天井やかれこれの処を下知した 十一時頃から美術学校ニ行ムーラジユなどの事ニ付て剣持氏と話をし一時半頃ニ内へ帰つた 四時ニ風呂ニ入り五時頃ニ花房氏を訪ひ話が長く為つて七時半過ニ為つて仕舞つた それから松方氏の宴会のある浜町の常盤屋ニ行た 客ハ皆揃つて居た 支那の公使夫婦ニ娘二人及通弁一人 露国の代理公使夫婦丈だつた 菊五郎と其弟子の連中が二三人来て居ていろいろ芝居をやつて見せた 芸者ハ太郎 小奴等 内へ帰つたのハ十二時半

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