本データベースでは中央公論美術出版より刊行された『黒田清輝日記』全四巻の内容を掲載しています。なお、デジタル化にともない、正字・異体字・略字や合成文字は常用漢字ないし現行の字体に改めました。



1896(明治29) 年6月22日

 六月二十二日 月 八時前ニ彫刻師小倉惣次郎氏がたづねて来た 十時少し過から上野ニ出かけた 公園の中で青山盈教ニ出遇つた 久米とも一緒に為つて学校ニ行た 岡倉氏ハ勿論森林太郎氏ニも面会 一時半過ニ精養軒でめしを久米と二人で食ひ食事後公園の出口で久米ニ別れオレハ溜池の合田の処ニ行き夕方奴と一緒ニ赤阪見附迄来て別れて内へ帰る 夜食後新二郎の病気見舞をした 父上もおいでゞお目にかゝつた 昨日鎌倉からお帰りなされたのだ 夕方から雨が少し計りポツポツやつて来た 散歩がてら一昨夜のあばれの代の払のこりをすまして来た

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