本データベースでは中央公論美術出版より刊行された『黒田清輝日記』全四巻の内容を掲載しています。なお、デジタル化にともない、正字・異体字・略字や合成文字は常用漢字ないし現行の字体に改めました。



1896(明治29) 年3月31日

 三月三十一日 火 (京都日記) Se réveiller dans une maison à Kiyamachi aux bords de Kamogawa n’est pas une chose désagréable! 朝めし後直ニ車で中村の処ニかけつけ一緒ニ円山の内ニ帰り松原ニ逢つた 三人で小堀でめしを食ひぼつぼつ歩いて松原の広道から五条坂ニ出た 小谷の屋敷一件を酒屋ニ寄つて頼んだ 五条から清水坂ニ出三寧坂上の河出屋茶屋でながくねころんで遊んだ 尾張楼の新座敷で鳥鍋を取り寄せて食ひ十時半少し過からお民 玉葉等を引連れて京極を散歩した 仕舞ニ中村とも松原とも皆別々に為つてオレの宿屋ニ帰つたのハ十二時少し前だつた

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