本データベースでは中央公論美術出版より刊行された『黒田清輝日記』全四巻の内容を掲載しています。なお、デジタル化にともない、正字・異体字・略字や合成文字は常用漢字ないし現行の字体に改めました。



1896(明治29) 年3月24日

 三月二十四日 火 今日も雨だがたいした事ハない 帰りがけニ先永田町の西園寺さんを尋たが留守 杉さんニ行たらあふ事が出来た 洋行の当分出来にくい事や地所の事など話した 内へ一寸帰りそれから合田の処ニ行た 合田と田中を引張て牛屋に行た 此処ニ菊地もやつて来た 後ち皆で合田の処ニ行て話込だ 岩村も来た 安藤が昨夜帰つて来たと云一寸たづねて来たと云て行て仕舞つた 菊地と久米の処ニ行た 此処ニ安藤がやつて来た オレと久米の履歴書を郵便で岡倉氏へあてゝ出し四人連でお米でめしを食た 京橋の処まで散歩して安藤ニ別れ新橋ぎハの玉突で久米と菊地の勝負を見て菊地と連れ立て帰る 十一時過也

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