本データベースでは中央公論美術出版より刊行された『黒田清輝日記』全四巻の内容を掲載しています。なお、デジタル化にともない、正字・異体字・略字や合成文字は常用漢字ないし現行の字体に改めました。



1896(明治29) 年3月18日

 三月十八日 水 (京都日記) 安藤が来て間もなくめし時ニ為つたから敦盛も一緒ニ平野屋ニ出かけた 中村もやつて来た 皆打連立ちてバンブーを径PONの松村屋ニ上り是非呼で来いと云注文で芸姐が三匹計出て来た 十時半頃ニサイナラで思案橋を渡り新地ニ入り尾張楼の前ニ行き安藤丈立つてオレと中村が路次ニ隠れたのが起りで安藤とオレ等と両方がさがしつこをして居る様ニ為つて仕舞ひとうとう仕舞ニ Bambou の門で出逢ひ一緒となり四条辺を散歩して帰つた時ニハもう十二時過さ 今日ハ本当ニ暖かな日だつた 而尾張の入口で不思議な動物ニ出遭つた 奇也と云べし 今日ポンムを病気見舞として送つてやつた

to page top