本データベースでは中央公論美術出版より刊行された『黒田清輝日記』全四巻の内容を掲載しています。なお、デジタル化にともない、正字・異体字・略字や合成文字は常用漢字ないし現行の字体に改めました。



1896(明治29) 年4月19日

 四月十九日 日 (京都日記) 十一時頃ニめし食ニ勝栄亭ニ出掛けて行く途中桜の東手で堀江松華君ニ出逢ヒ一緒ニ行た めしを食ひかけてる処ニ安藤が来又大迫重威氏と其連の人が尋ねて来た 食後安藤 堀江と成井で写真を取り内へ帰つたら中村が来て待て居た 暫らく内で話をして居りそれから四人連で平野屋ニ行き二階の四畳半ニ這入込み六時過迄居た 又一寸内へ帰り何処かへ押掛けやうと云事ニ議決して久し振りニ尾張楼の新座敷へ上る 昨夜と同じく非常ニあばれた 玉葉 お□(原文不明)其他の出品が有つた こう云京美人の連中ニモしばらくこれがお名残りだろうと思ふ 十一時半頃ニ出て皆ニ祇園町で別れて内へ帰る 今日終日雨

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