本データベースでは中央公論美術出版より刊行された『黒田清輝日記』全四巻の内容を掲載しています。なお、デジタル化にともない、正字・異体字・略字や合成文字は常用漢字ないし現行の字体に改めました。



1896(明治29) 年4月24日

 四月二十四日 金 小林萬吾がやつて来て十一時迄話して居た 井上と今日ハ鹿鳴館で昼めしを食ふ事を約して置たから出掛けて行て電話で菊の家ニ幾遍問合しても一向ニやつて来ず 遂に向ニ待て居ると云返事 其処で一人でめしを食て二時頃ニ菊の家ニ行く 井上ハ用が有つて出ると云ので一緒ニ出て今夜再会せんと約してオレハ久米の処ニ行く 夕方迄久米の処で遊で又菊の家ニ行く 井上の外ニ二人程居合せた 今夜の散財ハオレが引受る事としてやつた 十一時半頃迄飲で根津の神泉亭ニ一文なしでにげこむ 時ニ一時頃也

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