本データベースでは中央公論美術出版より刊行された『黒田清輝日記』全四巻の内容を掲載しています。なお、デジタル化にともない、正字・異体字・略字や合成文字は常用漢字ないし現行の字体に改めました。



1896(明治29) 年4月6日

 四月六日 月 (京都日記) 朝九時ニ中村が来て一緒ニ世阿弥ホテルニ Revon をたづねた 午後引越をやらかし木屋町を一と先引上げてアトリエニ帰つた それから小堀でめしを食た 此頃ニハ雨が降つて来たが未だ大した事ハ無かつた どうしても今日ハ何か描き度いので庚申橋の方ニ出かけて行て木徳と云料理屋に這入つて河原の景色をかいた 此時ニハもう雨が本式にやつて来た 帰りがけニ中村の内ニ寄つて十時頃迄話をした 今夜久し振りでアトリエに寝る

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