本データベースでは中央公論美術出版より刊行された『黒田清輝日記』全四巻の内容を掲載しています。なお、デジタル化にともない、正字・異体字・略字や合成文字は常用漢字ないし現行の字体に改めました。



1896(明治29) 年4月5日

 四月五日 日 (京都日記) 今朝少しポツリポツリとして居るが大した事ハなく建仁寺町へ髪をつみニ行て居たら中村が尋ねて来た 一緒ニ円山のアトリエニ帰て居たら東京大学の Revon 氏が来た 後中村と小堀でめしを食ひ中村の内へ行き又二人で出て安藤の内へ行つた 奴のかきかけの画を見たりして後一緒ニ御幸町の御幸楼と云牛屋でめしを食た それから中村の案内で川端の真喜野ニ上り十二時半頃ニ宿屋へ帰る 此の真喜野と云内ハ赤前だれの様也

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