本データベースでは中央公論美術出版より刊行された『黒田清輝日記』全四巻の内容を掲載しています。なお、デジタル化にともない、正字・異体字・略字や合成文字は常用漢字ないし現行の字体に改めました。



1896(明治29) 年1月9日

 一月九日 木 (京都日記) C’est le dernier jour du ménage avec Takéoutchi, mon étudiant-domestique,ex-acteur du théatre des Soshis. 午後四時頃竹内と中村を訪ひ奴を引出し六角千本辺を散歩す 四条通を経て帰寓途中四条芝居にてうどんを食ひ又内へ帰つてからハ途中で買つた牛で夜食した 食後中村と世阿弥ニ行き Schutz ニ逢ひ後ちシユツモ松原も一緒ニ宵惠比寿の市を見物し京極坂井座ニ立寄る 此処で一力の女連及竹内ニ出逢ふ 皆打連てアトリエニ帰り二時頃迄馬鹿話をした 一時前ニシユツハ帰り中村と竹内ハ女連と共ニ去りオレハ松原と三時過迄はなしをした

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