1896(明治29) 年12月17日


 十二月十七日 木
 天気ハよかつたが終日内で暮らした 夜食後ニ母上と一緒ニ出て母上ハ橋口家ニ例の如く泊りニ行かれオレハ久米の処ニ夜話ニ行き九時半頃まで居た 今夜ハ中々いゝ月夜だ 今日ハ来た人ハ朝合田 春陽堂 午後父上も御出ニなりそれから久松が来てしばらく巴里の話など庭でやらかした 又夕方菊地が一寸見えた