本データベースでは中央公論美術出版より刊行された『黒田清輝日記』全四巻の内容を掲載しています。なお、デジタル化にともない、正字・異体字・略字や合成文字は常用漢字ないし現行の字体に改めました。



1896(明治29) 年12月4日

 十二月四日 金 (京都日記) 今朝十一時頃ニ岡田が奈良へ立つ 奴ニ別れてオレハ安藤と石ヲ買に行た 中村ニ手紙をやつたら直ニ来た 三人でめしを食ひオレハ中村と車で清水ニ出かけた 安藤ハ客が有つて内ニのこつた 出る時から雨が降つて来たので仕事ニかゝれず清水寺の中や後の森の中など散歩した 四時前ニ霽れたから清閑寺ニ行て御陵の門の辺をかいた 暗くなつて仕事をやめた 今日ハ二村と云御陵の役人ニ逢つた 夜食後九時頃から中 安二人と京極 祇園町等を散歩 それから中村も内へ来て十二時迄話した

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