本データベースでは中央公論美術出版より刊行された『黒田清輝日記』全四巻の内容を掲載しています。なお、デジタル化にともない、正字・異体字・略字や合成文字は常用漢字ないし現行の字体に改めました。



1896(明治29) 年12月18日

 十二月十八日 金 晴 風が少しあつて寒かつた 朝伊藤ニ金を渡しなどして後学校ニ出た 昼めしハ安仲と精養軒 二人連で狸穴ニ真中をたづね又我善坊の小代の処ニ行たが二人とも留守 奴を豊陵ニのこし滑方へ行く 真中が居た 此処ニ久米が来 合 久の二人と紅葉館ニ行く 博文館の忘年会の為 小山正 長田等ニ出逢つた 六時前ニ一人切り上げ 豊陵ニ帰り安 佐の二人と合し食事した 十二時頃帰宅 中村の手紙二通と曾我の婚礼の知らせを読だ 今夜の月ハ昨夜より又一層

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