1896(明治29) 年12月16日


 十二月十六日 水 夕方より雨
 十時頃ニ久保正吉と云ふ人が画の稽古の事で話ニ来た 午後の三時頃まで大工や植木屋の仕事を見それから笄ニ行き先日京都で受取つた不思議な手紙を父上の御手元ニ差上た 帰りニ小代の家ニ寄つた 一旦内ニ帰り傘を取つた 又出かけ R.V. で小代と会ひ一緒ニ夜食をやらかし十一時半まで遊んだ