本データベースでは中央公論美術出版より刊行された『黒田清輝日記』全四巻の内容を掲載しています。なお、デジタル化にともない、正字・異体字・略字や合成文字は常用漢字ないし現行の字体に改めました。



1897(明治30) 年1月19日

 一月十九日 火 今日ハ曇天で非常ニ寒かつた 雪もちらちら少し降つた 今年ニ為つて一番今日が寒かつた様だ おまけニストーブの有る部屋ハ天井張りで入る事ハ出来ず まごまごして外ニ出る事も出来ず暮らす 夕方ニ小代が来一緒ニめしを食ひ八時前から出かけ豊陵ニ立ち寄る 十二時頃帰宅 夜ハ風も全く止んで霜ハかなり強いがそんなニ寒くハなし 今日夕方清が見へて伊木壮二郎氏の逝去を知らした 清ハお幾を連れて明朝帰県の途ニ上る筈

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