1896(明治29) 年10月19日


 十月十九日 月 晴
 伊藤が来た 学校ニ出て岡倉氏ニ面会 教場を見廻り展覧会場へ一寸寄り精養軒で昼めし 又会場へ行つた 此時和田秀豊が外国婦人と一緒ニ来て居て紹介された 帰り途ニ久米の内へたち寄つた 久米ハ少し病気 橋口家ニ一寸寄つたら皆留守 合田がやつて来て一緒ニめし 十三夜で月ハよし山王山ニ登り Riz を招き一時頃まで馬鹿を云て帰る