本データベースでは中央公論美術出版より刊行された『黒田清輝日記』全四巻の内容を掲載しています。なお、デジタル化にともない、正字・異体字・略字や合成文字は常用漢字ないし現行の字体に改めました。



1896(明治29) 年10月8日

 十月八日 木 珍らしく晴た 小督の下画ニ終日費した 午後の二時頃ニ世界の日本の島田と云人が来てしばらく話して帰る 夕方ニ合田が来た 一緒ニ出て先づ写真屋成田で昨日写した写真の出来を見時計屋小林で直しニやつた時計を受取りそれから烏森のすし鳥でめしを食た 伊藤源三を呼だ 十時過までひつかゝつて合田と二人でぼつぼつ歩いて帰る 赤阪で目高が大きな麩ニたかつたと云狂言ハ不思議

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