1896(明治29) 年2月26日
二月二十六日 水 (京都日記)
朝円山の風呂ニ行つた 午後の二時頃ニ樺山愛と資英の二人が不図やつて来て大阪ニ行かないかと云ので直ニ一緒ニ出掛け二時五十分の気車で大阪へ行た 晩めしハ灘万と云のでやつた 中々甘かつた 久保勇氏が見へて知り合と為つた 面も名も已ニ知つてハ居たが知己でハ無かつた 十一時頃ニ花屋ニ帰つた 川村鉄太郎氏が先日より此処ニ泊つて居らるゝのだ 然るニ今日ハ何処かへ出て居て留守だつたが帰つて来られて十二時頃迄あんまとらせなどがあつてにぎやかな事だつた