本データベースでは中央公論美術出版より刊行された『黒田清輝日記』全四巻の内容を掲載しています。なお、デジタル化にともない、正字・異体字・略字や合成文字は常用漢字ないし現行の字体に改めました。



1896(明治29) 年2月3日

 二月三日 月 (京都日記) 去年の今日ハ水雷艇の攻撃を見やうとして夜山ニ登つて寒い思をした日だナ 今日ハ恩順師と娘つ子を相手ニ勉強す 娘つ子の面と手をかき恩順師の方ニハ手をかける暇なし 中村が今日ハ手本ニする人足を蹴上より雇つて来て仕事をオレの脇で始めた 奴ハ木炭画を今日始めてやつたのだ 晩めしニ中村を引とめ後松原と三人連で壬生の地蔵参りをした 福は内鬼は外と云日は今日で地蔵の人ごみすてき也

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