本データベースでは中央公論美術出版より刊行された『黒田清輝日記』全四巻の内容を掲載しています。なお、デジタル化にともない、正字・異体字・略字や合成文字は常用漢字ないし現行の字体に改めました。



1896(明治29) 年9月29日

 九月二十九日 火 朝八時ニ久米が来 展覧会の話をしそれから学校ニ出た 昼めしハ合田 藤島と一緒ニ食た 食後会場ニ行き和田なんかと皆で布張りの下知などして夕方近く為りかゝつた 松阪屋ニ又布の注文ニ行き藤島ニ別れて合 和の二人と三人連で鉄道馬車で銀座まで来て合田の親類の内ニ一寸立寄り遂ニ紅葉の出見世で晩めし 地蔵の縁日の植木を冷かし又箱館屋で水をのみぼつぼつ帰つた

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