本データベースでは中央公論美術出版より刊行された『黒田清輝日記』全四巻の内容を掲載しています。なお、デジタル化にともない、正字・異体字・略字や合成文字は常用漢字ないし現行の字体に改めました。



1896(明治29) 年11月30日

 十一月三十日 月 雨 (京都日記) 朝車でかけて行たが一番汽車の五時二十五分ニ乗り後れ菊岡で朝めしを食ひ六時四十二分ニ乗つた 大阪で一時間半程待たされ又水害で歩いて通る処などが有つて十一時半頃神戸に着いた サラジ号ハもう着いて居た 昼めしを西村でやらかし西常盤ニ行て西園寺侯ニ逢つた 住友吉左衛門氏ニモ逢つた 三時四十分かの汽車で京都へ帰つた 着いたのハ七時頃 めし後中村ハ帰つた 皆で今夜ハ万亭ニ出かけた 此処ニ一泊 皆ハ雑魚寝の刑ニ処せられた オレ丈ハたすかつた

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