本データベースでは中央公論美術出版より刊行された『黒田清輝日記』全四巻の内容を掲載しています。なお、デジタル化にともない、正字・異体字・略字や合成文字は常用漢字ないし現行の字体に改めました。



1896(明治29) 年11月24日

 十一月二十四日 火(京都日記) 九時ニ起きたら安藤ハ堀江と話をして居た 今日ハ天気もいゝ 木屋町の住ハ格別也 北本氏ニ父上ヨリの届けものをとゞけさせ十一時前より佐野と中村の内へ行つた 間も無く安藤もやつて来た 安藤 佐野 中村 大八木と五人連で四条通の古道具屋を冷かし一時頃ニ宿屋ニ帰り皆でめしを食ひ三時頃から又皆揃つて渋谷ニ車で出かけた オレハ今度の旅の目的の清閑寺の景色をはじめた 暗くなつたのでやめた 大八木ハ途中で帰つた オレ等四人ハ晩めし 九時頃まで内で話しそれから散歩がてらニ祇園町のバンブウと名けた内ニ行た 非常ニまづい面が一つ出たので大笑した 十二時前ニ内へ帰つた

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