本データベースでは中央公論美術出版より刊行された『黒田清輝日記』全四巻の内容を掲載しています。なお、デジタル化にともない、正字・異体字・略字や合成文字は常用漢字ないし現行の字体に改めました。



1896(明治29) 年11月10日

 十一月十日 火 今日いよいよ玄関前の大松をぬく事ニ着手した これハ大改革だ 十一時過ニ大熊と報知が同時ニ来た 間も無く大熊ハ去り今度ハ如来が来た 又乙羽が来た 四人でめしを食た 二時半頃ニ朽阿弥と乙羽ハ帰り如来丈三十分間程のこつて世界の日本の画の評ニ付て話した 晩めしハ母上と清と三人で食た 六時過ニ合田来 七時頃ニ菊地が来 九時頃ニ三人連で出赤阪見附下の下宿屋ニ高島をたづねた 丁度内ニ居た奴を引立しそば屋ニ行て面白く話を聞き十二時頃まで居て帰る

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