1892(明治25) 年9月27日


 九月二十七日 火
 病気も全クよく為た様だから今日から画をかき始む 朝ハ十時から十二時迄昼後ハ三時から六時頃迄やる 六時半頃ニ画部屋から内へ帰ろうとする時貧ニ出つこあす 貧ハ昨日オレが出した手紙ヲ受取急ニ思ヒ立ち春日村ニ住居ヲ構へて居る白耳義国の画師リユドビツク某ヲともなひやつて来たのだ 久振で貧ニ逢てうれし 奴等と一緒ニ夜食す 奴等ハ今夜此処ニ泊る