本データベースでは中央公論美術出版より刊行された『黒田清輝日記』全四巻の内容を掲載しています。なお、デジタル化にともない、正字・異体字・略字や合成文字は常用漢字ないし現行の字体に改めました。



1892(明治25) 年9月8日

 九月八日 木 (ブレハ紀行) 朝久米公 次郎と三人連で松原ニ行て松葉引きヲして遊ぶ 昼後ベドス糞婆の家の上の羽車の処のわき高台でねころびながら日本の新聞紙を読だり又ヂヤンケンで銭の取りつこなどす 夕方南海で水をあび女亭主の酒屋で一杯 亭主目の上ニ傷ヲ被て居た 晩めしニ日本料理ヲつくり久米の部屋で食ふ 食後青ん蔵(フロマンと云奴の娘也)が部屋ニ攻込で来て色々ナ事ヲしやべつた末当世の女の教育の学問的ニ過る事ヲ述へて去る 例の如く散歩して十一時頃ニ内へ帰る

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