本データベースでは中央公論美術出版より刊行された『黒田清輝日記』全四巻の内容を掲載しています。なお、デジタル化にともない、正字・異体字・略字や合成文字は常用漢字ないし現行の字体に改めました。



1892(明治25) 年9月28日

 九月二十八日 水 天気が悪く為て来た 朝貧ニ起さる 後一緒ニ舟で方々連れて行て見せてやる オレの画部屋も見す オレの画ニ付色々面白い評ヲして呉れた 仕合也 打ちすてゝ置いた夏の画を又描て見様と云気ニ為る 奴の御かげ也 昼めしも宿屋で一緒ニやらかす 三時頃ニ奴等自転車で帰て行ふとしたら雨が盛ニ降て来た 又引返へして内へ来て十五分間計雨宿をして少し小降ニ為た時ニ立て行く 夕方迄ずうつと降たから奴等ハびしよぬれニ為たニ違ヒなし 今日宿屋でレムスデルの妹と云人ニ始めて逢ふ

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