本データベースでは中央公論美術出版より刊行された『黒田清輝日記』全四巻の内容を掲載しています。なお、デジタル化にともない、正字・異体字・略字や合成文字は常用漢字ないし現行の字体に改めました。



1895(明治28) 年1月6日

 一月六日 (従軍日記) 午前東門より出大龍山の麓なる二十一 二十二連隊の奮戦せし場所ニ到り写景す 午後第一番ニ金州城の城壁ニ昇りたりと云第二連隊の旗手少尉吉田梶次郎氏ヲ訪ひ其肖像を写し同氏の案内にて氏の昇りたりと云城の北南の角なる壁の処ニ到り当時の模様も委しく聞きたり 後別れて又景色を一つ写す 水画の絵具凍りて筆自由ならず いゝかげんニやめて帰る

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