本データベースでは中央公論美術出版より刊行された『黒田清輝日記』全四巻の内容を掲載しています。なお、デジタル化にともない、正字・異体字・略字や合成文字は常用漢字ないし現行の字体に改めました。



1896(明治29) 年8月20日

 八月二十日 木 (大磯) 朝例の如く樺山伯の肖像をかきニ行く積で仕度して居た処ニ荒川氏と吉田鉄氏が来られたのでやめニして話をした 二氏を送つて樺山家迄行きそれから郵便局ニ行て金を受取り内へかへつた 午後ハ別ニ何もせず 七時頃の汽車で荒川氏と横浜へ立つ 松方正作氏の見送りの為也 西村屋ニ泊る 十時過ニ一人宿屋を出て町を歩きクラバツトを買ふ

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